誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

「ありがとう。案内はいいよ」

 一枚のカードを受け取り、閑はソファーを立ち上がると、小春の手を自然に取ってそのままエレベーターへと向かい乗り込んだ。
 クラシックな装飾の豪奢なエレベーターが、カタコトと上へと上がっていく。

「もう少し早くにここに来るってわかってたら、離れのコテージを取れたと思うんだけど。でもスイートもいい部屋だから」

 その話を聞いて、小春の目が点になり、そしてすべての合点がいった。

「スイート……って、今日はここに泊まるんですか!?」
「小春、俺たちがここに何しに来たって思ってるの?」

 閑は小春の反応を見て、クスクスと笑う。

「いや、食事かなって」
「食事もするけど、それだけのために移動してこないよ」
「だ、だって、山邑リゾートなんて、いつも予約でいっぱいなんですよ!?」

 そう、平日でも県外からの客で予約が埋まるし、しかも明日はクリスマスイブだ。
 県内有数の高級リゾートの一室が、空いているはずがないのである。

 それを聞いて、閑はふんふんとうなずく。

< 252 / 310 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop