誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
「ありがとう。案内はいいよ」
一枚のカードを受け取り、閑はソファーを立ち上がると、小春の手を自然に取ってそのままエレベーターへと向かい乗り込んだ。
クラシックな装飾の豪奢なエレベーターが、カタコトと上へと上がっていく。
「もう少し早くにここに来るってわかってたら、離れのコテージを取れたと思うんだけど。でもスイートもいい部屋だから」
その話を聞いて、小春の目が点になり、そしてすべての合点がいった。
「スイート……って、今日はここに泊まるんですか!?」
「小春、俺たちがここに何しに来たって思ってるの?」
閑は小春の反応を見て、クスクスと笑う。
「いや、食事かなって」
「食事もするけど、それだけのために移動してこないよ」
「だ、だって、山邑リゾートなんて、いつも予約でいっぱいなんですよ!?」
そう、平日でも県外からの客で予約が埋まるし、しかも明日はクリスマスイブだ。
県内有数の高級リゾートの一室が、空いているはずがないのである。
それを聞いて、閑はふんふんとうなずく。