誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

「確かに予約でいっぱいだったけど、宿泊施設には、念のために予約を入れない、空けている部屋っていうのはあるんだよ」

 というと、兄弟が若社長と懇意ということで、閑もこの山邑リゾートに融通がきくということになる。
 だが、山邑リゾートのスイートは、一泊いくらなのだろうか。考えたことすらなかったが、とうぜん安いはずがない。

「スイート……」

 唐突に訪れたスペシャルな体験に、小春はドキドキしながら、顔を上げた。

「そこに、ふたりで泊まるんですか?」
「そうだよ。ふたりで泊まるんだ」

 閑はふふっと笑って、繋いだ手を顔に引き寄せると、小春の手の甲に唇を押し付けた。

「確かにご両親の事とか、色々あるし、それどころじゃないかもだろうけど。俺だって、君とクリスマス一緒に過ごしたかったから……。だめ?」

 甘く、いたずらっ子のような瞳で、閑が問いかける。

 その瞬間、小春の胸はいまだかつてないくらいに、ぎゅーんと締め付けられて、

「だっ……だめなわけないじゃないですかっ……!」

 と、つい大声を出してしまった。

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