誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

「あ、もうっ……」

 閑のそういうところは、本当に駄目だと思う。

 自分の着ているものだってあちこちに投げ捨てるし、小春の髪留めだって、平気でポイしてしまうのだ。
 捨てているわけではないとわかっているが、あとで床を探し回るこっちの身にもなってほしいと思ってしまう。

 それに、部屋だってもう少し真剣に見たい。
 せっかくの山邑リゾートのスイートだというのに、気が付けばドアを開けるやいなや、正面から抱きすくめられ、寝室に連れ込まれている。

(豪華絢爛なスイートの詳細を確かめたいのに! このままでは勢いで、押し倒されてしまう~!)

 ベッドの縁が小春の膝の裏に触れた。軽く閑が体重をかければ、背中から大きなベッドに、ふたりしてダイブすることになるだろう。

 そうなってしまうと、一時間や二時間の話ではない。
 こんな昼日中からだと、気が付けばとっぷりと日が暮れるに違ないのだ。

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