誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
もちろん、彼とそうなるのが嫌と言うわけはないのだが、まだ小春はそこまで楽しめるような余裕を持っていない。
ひそやかな夜に体を重ねるほうが、心の準備ができていいのだが、そんな準備は、閑には必要ないものだ。
「し、閑さん、ほんとに待って……」
どうにか閑の胸を押し返そうとしたのだが、彼の長い指が小春の髪をまさぐり、ふわふわと髪が空気をはらんでほどけ、なびく。そして閑が首筋に顔をうずめて、唇が触れる。
「……君が欲しい」
囁きと同時に、彼の熱い吐息が肌に触れた瞬間、小春は『やっぱり無理、だめだ』と思ってしまった。
いつもこうだ。
閑に欲しいと言われると、ほんの数秒前まで必死に抵抗しようとしていた気持ちが、しゅるしゅると小さくなってしまう。恥ずかしいよりも嬉しい、そして彼を喜ばせたいという気持ちが勝ってしまう。
小春から抵抗する力が抜けたことを瞬時に察知した閑は、丁寧に、体を頭をささえながら、ベッドに小春を横たわらせ、その上にのしかかる。