誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 閑がきょとんとして目を丸くする。

「だ、だからですね、閑さんが、ここにいろんな女の子と時間を過ごしたんだって思ったら、苦しくて、そして私はいつまで一緒にいられるんだろうって、なんかもう、辛くなっちゃって……」
「そうか……それはまさかの発想だったな」

 閑は驚いたようにそうつぶやき、それからフフッと笑顔になった。

 どうやら面白がられているようだ。
 深刻にとらえられなかったのは、よかった。だが恥ずかしい。

「やだ、笑わないでくださいっ……自分でも恥ずかしいやつだと思ったのに!」

 急激に羞恥心に襲われた小春は、顔を真っ赤にしながら閑の胸をこぶしでドンドンと叩く。

「ごめん、ごめん」

 閑は笑いながらその手を受け止めて、そのまま小春を正面からギュッと抱きしめる。

「小春が俺にやきもち焼くなんて珍しいだろ。ちょっと顔がにやける」
「にやけるって、ひどいっ!」

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