誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 その日、小春は当然眠れないまま朝を迎えた。
 ベッドの上に膝を抱え、壁にもたれかかり窓の外を眺めていた。
 カーテンの隙間から朝陽が差し込んで、頬を照らす。

(うん……とりあえず昨晩のことはしらばっくれよう……)

 それが数時間考えて、小春が出した結論だった。

 昨晩のことは、小春にとっては夢のような一夜だったが、その後のことは、どう考えても閑に迷惑がかかる。
 恋人同士でもないのに、そういうことをした――。褒められることではないだろう。勿論、閑に淡い恋心を寄せていた自分には、まったく後悔はないが、閑は違うはずだ。

(きっと、長年知っている私と、そんなことをしてしまったって、後悔してるはずだわ)

 だったら、なかったことにするしかない。

 閑を困らせたくない。
 それは小春の一番の願いだ。

「よしっ……」

 小春はベッドから立ち上がると、パァン!と両手で自分の頬を叩いて、気合を入れる。

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