誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
部屋を出てシャワーを浴び、身支度を整えて、階下に降りると、時間はちょうど七時になるころだった。
大将はすでに起きていて、店のキッチンで朝ご飯を作っている。朝は、昼の仕込みもしているので、店で食事をとるのが日長だ。
ふんわりとお味噌汁のだしの匂いがして、急激にお腹が空いてきた。
「おはようございます、おじさん」
「おはよう、小春ちゃん。魚焼けるよ~」
「はーい。お皿、出しますね」
こうなればいつもの朝だ。
(昨日のことは忘れて、いつも通り過ごせばいいわ――)
その次の瞬間――店の戸がガンガンと叩かれた。
「すみません!」
続いて焦ったような男性の声がする。
「ん? なんだ?」
調理場で魚を焼いていた大将が、不思議そうに首をかしげるが、小春は飛び上がらんばかりに驚いた。