明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
そっと布団を抜け出し、私の着物が用意されている部屋へと向かう。

箪笥の引き出しを引っ張り出すと、どれもこれも新しくそして艶やかな着物ばかりで、仰天してしまった。


「もったいなくて着られないわ……」


けれども、夜着のままでウロウロするわけにはいかない。

それに、津田家の嫁なのだからそれなりの恰好を求められるのだろうと納得して、今日の空のような勿忘草色に、小花がちりばめられている着物を身に纏った。

それからすぐに長い廊下を歩き、炊事場に向かう。


「おはようございます。お手伝いします」


朝早くから八人の女中が朝食の準備をしている。


「あやさま! こんなに早く起きられるとは思っていなかったので、お着替えの手伝いもせず申し訳ありません」


貞が慌てふためていてる。


「あぁっ、私、自分でできますから」
「御髪も整えさせていただきますのに。明日からはお呼びつけください」
「いいのよ。こんなことくらいすぐにできるし」
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