明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
今日は一応マガレイトにしてリボンをつけてある。
いつもはひとつくるっとまとめてかんざしで止めるだけだ。


「そんなわけにはまいりません。さ、こちらは汚れますので広間のほうへ……」
「いえ。お手伝いしたくて」


もう一度申し出ると女中全員の視線が突き刺さる。


「とんでもございません。そんなことをしたら行基さまに叱られてしまいます」


貞は激しく首を振る。
やっぱりだめなのか……。

彼女たちが叱られるのは本意ではない。
私は渋々大広間に異動した。


「行基さまが少ない人数でいいとおっしゃいますので、基本、こちらの離れは先ほどの八人でお世話させていただいております。あとは本邸のほうにおりますので、人手が足りなければ呼んでまいります」


私にお茶を出す貞が、そう口にする。


「いえ、十分です!」


行基さんと私、二人分の食事なら、自分でなんとかできるくらいだ。

それにしても、少なくて八人なのか……。
津田家の“普通”に感心してしまう。
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