明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
「ご覧の通り、できた妻です。妻は私を尊敬していると言ってくれましたが、私は妻を尊敬しております。彼女を娶ることができ、幸せをかみしめる毎日です」


そして余裕の笑みを浮かべ、そう言い放つ。

辻さまに釘をさすためだとはいえ、もったいないほどの賞賛を聞き、胸がいっぱいになってしまった。

愛しい人からの温かい言葉は、特に胸に響くものだ。


「そ、そうですか。末永くお幸せに」
「ありがとうございます」


顔を真っ赤にした辻さまは、会場からそのまま出ていった。


「次は私と踊っていただけますか?」


それから行基さんは、なんと私の前にひざまずき、手を差し出す。

旦那さまにこんなことさせるなんて……と焦ったものの、西洋式の挨拶なのかもしれない。


「はい。喜んで」


私がその手に手を重ねると、彼は満面の笑みを浮かべて立ち上がった。
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