明治蜜恋ロマン～御曹司は初心な新妻を溺愛する～
どうしたらいい？　もしも津田家に戻ったら、受け入れてもらえる？

いや、家を飛び出したのは私だ。
そんな都合よく帰るなんて許されない。

この子を産んで、子供だけでも引き取ってもらう？　

そうすれば、津田家の子としてなに不自由なく暮らせるはずだ。

でも、そんなことはできない。
この子と別れるなんて、私にはできない。


しばらく考えに考えた。

角田さんのことも含めて、この子をどうしたらいいのか。
そして私はなにを選択すべきか。

迷っている時間はない。お腹の子はすぐに大きくなる。

角田さんの申し出をどうしても受けることができないということだけは、はっきりと胸の内にあり、私は行動に移すことにした。


「角田さん」


ふすまを閉めたまま声をかけると、彼はすぐに気づいて開けてくれた。


「どうしたの？　気分が悪い？」
「いえ。落ち着きました。ご迷惑をおかけしました」


正座をして頭を下げる。
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