明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
「ごめんなさい。くわしくは勘弁してください」
章子さんのことをどう説明したらいいのかわからない。
それに、説明したところで今さらどうにもならない。
もしあのとき、『妾でもいい』という章子さんの提案を受け入れて津田家にいたら、私は今頃どうなっていたんだろう。
手放しでこの子を授かったことを喜べただろうか。
きっと複雑だったに違いない。
そして、行基さんを自分だけのものにしたくて、章子さんを排除したかもしれない。
妻だったのだから、その権利はあっただろう。
でも、章子さんとお腹の子の不幸を、自分の手で促すなんてことはしたくない。
「そう……。わかった。聞かないでおくよ」
「ありがとうございます。角田さんの優しさを踏みにじるようなことをしてごめんなさい。これ以上、ご迷惑をおかけするわけにはまいりません。突然で申し訳ありませんが、今日で仕事を辞めさせてください」
「えっ、ちょっ……」
角田さんがひどく慌てだした。
章子さんのことをどう説明したらいいのかわからない。
それに、説明したところで今さらどうにもならない。
もしあのとき、『妾でもいい』という章子さんの提案を受け入れて津田家にいたら、私は今頃どうなっていたんだろう。
手放しでこの子を授かったことを喜べただろうか。
きっと複雑だったに違いない。
そして、行基さんを自分だけのものにしたくて、章子さんを排除したかもしれない。
妻だったのだから、その権利はあっただろう。
でも、章子さんとお腹の子の不幸を、自分の手で促すなんてことはしたくない。
「そう……。わかった。聞かないでおくよ」
「ありがとうございます。角田さんの優しさを踏みにじるようなことをしてごめんなさい。これ以上、ご迷惑をおかけするわけにはまいりません。突然で申し訳ありませんが、今日で仕事を辞めさせてください」
「えっ、ちょっ……」
角田さんがひどく慌てだした。