明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
これは学校ではないの?と思ってしまうほどの大きな家がそびえたち、その横にも小さめの——と言っても一橋家の三倍くらいはありそうな家がある。
両方とも津田家の持ち物で、その隣の家に行基さんと私が暮らすことになるらしい。
これほどまでに財力があるとは驚きのひと言だ。
たしかに、この打掛は二千圓ものお金をかけてこしらえさせたものであると聞いている。
それだけでなく、新居の箪笥には私のための新しい着物がぎっしり用意されているんだとか。
私が輿入れのために持ってきたのは、初子さんにもらった櫛と最後の手紙。
そしてあの懐中時計くらいのものなのに。
上流階級の祝言といえば嫁入り道具を引っ提げてするものらしいが、一橋家の財政が苦しいことを知っている行基さんが、生活できるように準備はすべてしておくから、身ひとつでくればいいと言ってくれたのだ。
毎朝懐中時計のねじを巻きながら、いつも行基さんのことを頭に思い浮かべている。
その人のところに嫁げるなんて、これ以上の幸せはない。
両方とも津田家の持ち物で、その隣の家に行基さんと私が暮らすことになるらしい。
これほどまでに財力があるとは驚きのひと言だ。
たしかに、この打掛は二千圓ものお金をかけてこしらえさせたものであると聞いている。
それだけでなく、新居の箪笥には私のための新しい着物がぎっしり用意されているんだとか。
私が輿入れのために持ってきたのは、初子さんにもらった櫛と最後の手紙。
そしてあの懐中時計くらいのものなのに。
上流階級の祝言といえば嫁入り道具を引っ提げてするものらしいが、一橋家の財政が苦しいことを知っている行基さんが、生活できるように準備はすべてしておくから、身ひとつでくればいいと言ってくれたのだ。
毎朝懐中時計のねじを巻きながら、いつも行基さんのことを頭に思い浮かべている。
その人のところに嫁げるなんて、これ以上の幸せはない。