明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
『大丈夫。私はここで幸せになるの』
ほんの少し前まで、結婚なんて考えたこともなかった。
私には関係のない話だとどこかで思っていたのだ。
だけど、周防さんと密会したあとの初子さんの柔らかな笑みを見て、私もいつか情熱的な恋をしてみたいと密かに思っていた。
憧れの行基さんに嫁げるのだから、愛という感情で胸を焦がしたい。
そして、必ず幸せになる。
彼に手を握られ、津田家の本邸にゆっくりと足を進めながらそんなことを考えていた。
本邸の五十畳はあると思われる大広間に集まった津田家の列席者は、津田紡績の責任ある立場の人や、取引先の重鎮ばかり三十名ほど。
一方一橋家側は、父と母。そして孝義。
あとは父の勤める宮内省の上層部の数人だけ。
爵位を持つのは一橋家のほうなのに、そうは見えない。
大勢の視線が突き刺さる中で、緊張で震える手で行基さんと盃を取り交わしたあとは、立派な膳が用意されていた。
ほんの少し前まで、結婚なんて考えたこともなかった。
私には関係のない話だとどこかで思っていたのだ。
だけど、周防さんと密会したあとの初子さんの柔らかな笑みを見て、私もいつか情熱的な恋をしてみたいと密かに思っていた。
憧れの行基さんに嫁げるのだから、愛という感情で胸を焦がしたい。
そして、必ず幸せになる。
彼に手を握られ、津田家の本邸にゆっくりと足を進めながらそんなことを考えていた。
本邸の五十畳はあると思われる大広間に集まった津田家の列席者は、津田紡績の責任ある立場の人や、取引先の重鎮ばかり三十名ほど。
一方一橋家側は、父と母。そして孝義。
あとは父の勤める宮内省の上層部の数人だけ。
爵位を持つのは一橋家のほうなのに、そうは見えない。
大勢の視線が突き刺さる中で、緊張で震える手で行基さんと盃を取り交わしたあとは、立派な膳が用意されていた。