明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
もうこれ以上は粗相をしないようにと、そのあとは口を開かないように気をつけた。

そして無事に祝言は終わった。



私付きの女中が三人もいると聞き驚いたが、隣の別邸に移ったあとその人たちに着替えを手伝ってもらった。

それがたまらなくくすぐったくて、ひとりで全部したくてたまらなかったけれど、これも上流階級のたしなみなのかもしれないと必死に耐えた。

それに、私のためを思って女中を雇ってくれた行基さんに『いりません』とは言えない。

そして風呂のあと、真新しい浴衣に着替えた。


「行基さまのお部屋にご案内します」


そう言われ、途端に息苦しいほど心臓が暴れ出すのを感じる。

このあと行われるであろう営みについては、作法の先生が簡単に教えてくれた。

行基さんにお任せすればいいと言われてはいるが、肌をさらすなんてやはり恥ずかしくてたまらない。

それでも彼の妻となったのだから、拒否することなんてできない。
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