キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
「尋が……お父さんの浮気を知ったのは………高1の時だと聞いてる。
まだ、俺と出会う前で………
出張に行ったはずが、女とアクセサリーを選んでたって。
その次は……お母さん。
会社の男の子と一緒にいるところを………」

「和くん!!」

先生の静止の声を無視して

「尋や悠人さんが庇うから……唯さんは何も知らないで
危険なことにも気づかないんですよ。
唯さんを守りたい気持ちは分かりますけど………
俺だって尋を守りたいんで。」

凄い剣幕の二人に怯えていたら

「はいはい、一回落ち着きなさい。
二人が自分の彼女を大切に思うのは当たり前。
でも……その彼女達は姉妹だからね。
二人とも、彼女の姉妹も守らないと………彼女が悲しむよ。」

洋介さんの言葉に冷静さを取り戻した二人は……

「悪い。」

「いえ、俺こそすみません。」って。

「それじゃ、お母さんも浮気してる所を見たの?」

唯の質問に、首だけ縦に振って答えて

「その次は……去年の夏休み。
尋が骨折して入院しましたよね?
あれ、偶然産婦人科から出てきた女を見かけて………
お腹も膨らんでたから……後をつけたみたいです。
電車に乗って降りた駅で写メを撮ろうとして………足を踏み外したって………」
< 138 / 149 >

この作品をシェア

pagetop