キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
「「ただいま。」」

「お帰り。
唯、大丈夫??」

玄関のドアを開けて、久しぶりの我が家に帰る。

今日退院して、先生と一緒にウチで話し合いをするの。

お父さん、お母さん、尋ちゃんと和也さんも来てる。

リビングに入ると、お父さんがいつものソファーに座らず

床に直接座っていた。

「…………………………お父さん………………酷い。」

顔を見るまで、恨み言を言うつもりなんてなかったのに………。

私の背中を擦りながら座るように、促す先生。

尋ちゃんは……………飽きれているのか…………無表情。

口を開いたのは………以外にもお母さんだった。

この人も浮気…………してたんだよね。

前回、ここに集まった時は………

先生のお陰で家族が戻るって喜んだんだけどなぁ。

父親、母親として、尊敬出来なくなっている。

尋ちゃんは………こんな思いを、随分前からしていて…………

一人で苦しんでいたんだよね。

尋ちゃんに心から申し訳なく思う。

「唯、尋…………バカな親達で……………ごめんなさい。
お母さんが、お父さんを信じて支えてあげれたら………
あなた達をこんなに苦しめなかったのに…………」

「止めて!!
そんなきれいごとじゃないでしょう!
あなたに私の苦しみなんて、語られたくない!!」

尋ちゃんの怒りに誰も口を挟めない。

今回の事で、先生がお父さんとお母さんに

尋ちゃんが受けてきた苦しみは全て話したと聞いた。

3年以上………壊れていく家族を………見てきた

私なんて、非じゃない程の苦しみの中で…………。
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