ワケあり王子のオトし方
言い終えて、私は肩でゼーハーと息を繰り返した。
くそぅ、何なんだよ。こいつ、王子なんかじゃないじゃん。私と同じように皮を被っていやがったクソ野朗じゃないか!
私はキッと西園寺を睨みつけた。だが、ヤツには全く効果がなかった。
「仕方ないよ。俺は君と違って、事実を述べているだけだから」
「じ、事実ですって!? よくそんなことを言えるわね!!」
西園寺はやれやれとため息を吐くと、私に哀れむような目を向けてきた。
「事実だよ。現実、この学園に俺より美しい顔をしている人間はいないだろう?」
「わ、私がっ」
「君は本当に凄いね。俺を前にしてそんなことを言う人間、初めて見た」
私はエヘヘと笑いながら、これが夢か現実であるかを確かめるために、頰を抓った。
何度抓っても、現実であることに変わりはなくて、泣きたくなった。
「それじゃあ、よろしくね? ーーお馬鹿な並木優羽さん」
ーー嗚呼、神様。時間を巻き戻してください。