ワケあり王子のオトし方
「誰が魔王だって? ーー腹黒女」


「そんなの世界でただ一人に決まってるでしょ。王子ぶってる西園寺しか居なーー…!?!?」


お前が魔王だよ、という私の言葉は、悲鳴に近い声となり消えてしまった。


「痛いわね! 何をするのよ!?」


涼しい顔で私の足をぐりぐりと踏んだ西園寺を睨みつける。

西園寺は知らん顔で「さあ?」と首を傾げると、女子生徒たちにひらひらと手を振りながら歩き出した。

イラついた私は西園寺に仕返しをするべく、大股で後を追いかけ、ヤツの背中に頭突きをくらわせた。


「っちょ、」


心底驚いたような顔をした西園寺にニヤリと笑い返し、もう一発。
背後に回った私は、必殺・膝カックンをした。


「おわっ、」


西園寺はふらりと膝をつくと、壁に手をつきながら恨めしそうに私を見上げる。

素晴らしい、見事に技が決まった。


「私の繊細で華奢な足を踏みつけたお返しよ」


「…繊細? 華奢? 辞典で意味を調べてから口にして欲しいね」


「眼科に行った方がいいんじゃない? この足の美しさが分からないなんて、人生終わってるわ」


「眼科に行くべきなのは君の方だよ。あ、君の場合は頭のお医者さんに行った方がいいね。イかれてるから」
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