俺がこんなに好きなのは、お前だけ。
ダンスは4人グループを3組つくり、午前と午後とで一回ずつ踊ることになった。店員役は午後と午前とで交代制。私は午前のグループに分けられた。
これから授業や放課後を使って作業をしていくらしい。図工は得意じゃないけれど、他のクラスメイトもいるし、なんとかなるはず。まだ本番じゃないのに、準備自体がお祭りみたいでワクワクしている。
文化祭本番は、約1ヶ月後の10月上旬。
先生にアドバイスをもらいながら、そして学級委員のふたりが上手くみんなをまとめながら着々と準備は進んでいった。
そして、私と大志くんの関係は友だちのまま、時間が過ぎていく。
これを進展というにはあまりに粗末ではあるが、これまであまり教室で、クラスメイトがいるとき、ふたりで会話をすることは少なかったはずだった。だけど、二学期になって彼から話しかけられることが増えた。
それは優等生の彼であったり、素の彼であったりとまちまちで私も対応にすこし戸惑っていたけれど、最近はそれにもすこし慣れてきた。
ふたりで帰ることも、ある。あれからちょくちょく大志くんに家まで送ってもらっている。
カフェに寄り道をして、ふたりで出された課題を終わらせて帰ることも、あるぐらいだ。
「は?それで付き合ってないとか、あり得なくない?」
「…………」
ダンス班に所属している我が親友の辛辣なお言葉に、廊下に飾る予定である看板にペンキで色を塗っていた私の手が止まる。危うく下書きからはみ出してしまうところだった。
文化祭当日まであと十日と迫った日の放課後。ダンスの練習はいま、休憩中らしい。