俺がこんなに好きなのは、お前だけ。
首をかしげると「はぁー」とため息を吐かれた。それにムッとして、唇を尖らせる。
「だから、お前はどうやったら笑うんだよ?」
「えっ、美味しいもの食べたら……かな」
深く考えずに返事をした。どうしてそんなことを聞くのか、答えてから気になってしまった。
大志くんが「美味しいものか」と顎に手をやって、なにかを考えている。
「じゃあ……駅前にあるカフェにでも行くか?」
「えっ、行きたい!あそこのケーキ美味しいんだよ!」
「行ったことあるのか?」
「うん。この前、佐藤くんと」
言い終えてから大志くんの顔を見て気づく。彼の顔が鬼のように恐ろしく、怒りのオーラを纏っているように見えた。驚いて肩をビクつかせていると大志くんが「ほう?」と片眉をあげた。
「確か佐藤って、今日の朝来てたやつだよな?」
「そ、そうだけど……」
「……やっぱり好き、なのか?」
「え?」
どうしてそうなる⁉︎
突拍子もない大志くんの言葉に思わず笑ってしまう。
「そりゃ嫌いじゃないけど。佐藤くんはいい人だし、好感は持てるけど……恋じゃ、ないかな」
恋じゃない。たぶんだけど。
好きだし、いい人だなって思うけど、なんか違う気がする。
「ふーん」
「私が恋しちゃいけないの?」
なぜかな。そんな風に思ってしまった。
「知らねえ。かってにしろって感じ」
「ひ、ひどい……」
「ほら行くぞ。駅前じゃなくて、別のところ行こう」