俺がこんなに好きなのは、お前だけ。


結局チョコレートケーキまでオーダーしてしまった。手を挙げて店員さんを呼ぶその仕草までカッコいいんだもの、ほんと、やめてほしい。


店員さんが去って、大志くんと目が合った。



「それで、なんで俺のこと引き止めたんだ?」

「えっ」



聞かないでおいてくれるのかと勝手に思っていた。そうじゃなかったのか。
身構えてなかった質問に固まった。


二通目の手紙のことを、
本当のことを言ってもいいのだろうか……。


しばらく考えこんでいると「その小さな頭でなに悩んでんだよ」とため息交じりの言葉が飛んできた。



「いいから言え」

「でも……」

「でもじゃねぇーんだよ。早くしろ」



下唇を噛んでかばんから引き出しに入っていた二通目の手紙と呼んでいいのかすらわからない紙を取り出した。


差し出すと、大志くんが手に取る。そのまま中身を見るとぐっと眉間にシワを寄せた。
私は大志くんの反応を、膝の上で手のひらをギュッと握りしめて待った。



「……んだこれ。本当に気持ち悪いな」

「うん……」

「俺とお前、あんま一緒にいないほうがいいのかもな」

「えっ」

「いまだって監視されてるかもしれないし」



──そんなの……っ。

その続きを考えきる前に「それとも」と、大志くんが話を続ける。口を結んだ。



「俺がお前のこと、とことん守ったほうが安全なのか……」

「……っ……」



店員さんが「お待たせ致しました」と注文した品たちを運んで来た。
活発に動き出した心臓。酸素をたくさん吸い込んで、運ばれてきたドリンクに口をつけた。


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