俺がこんなに好きなのは、お前だけ。



冷たいカフェラテがのどを通って、体温を冷ましてくれるはず。そう思っていたけれど、そうでもないみたいだ。


私、さっき、"嫌だ"って、思った。離れたほうがいいって言われて、そう思った。


どうかしている。ついこの間まで犬猿の仲だったのに。
しかも「守る」だなんてそんな台詞、簡単に言わないでほしい。



「スマホだして」

「え?どうして?」

「なにかあったときに連絡できるようにだよ」

「……っ……」



手を差し出して来た大志くんに逆らうことなくスマホを取り出してメッセージアプリを開いた。
大志くんが持つスマホが表示しているバーコードを読み取って友だちに追加した。


あ。アイコン、犬だ……。
大志くんの家の愛犬だろうか……?
すごく意外。でも、可愛い。


私は結衣羽とのツーショット写真にしてある。うさぎの耳と鼻と髭がついていて、最近撮れた中じゃ結構盛れたやつ。



「なんだこの写真。本当にお前か?」

「し、失礼な……!正真正銘、私ですけど……!」



口元を手で隠しながら笑う大志くんに私は頬を膨らませていた。
肩を小刻みに揺らして、そんなにツボに入ったの?と疑問すらわいてくる。まったくひどい人だ。人の顔を見て笑うなんて。


でも、大志くんの笑った顔。教室で見るのとは違うその笑顔。

いま私が見ているそれが、心からの笑顔だったらいいのになって、思ってしまった。


ニコニコとつくったものじゃなくて、おかしくてしょうがなくて我慢できないって、伝わってくるそれ。


見たことある人ってどれだけいるの?


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