俺がこんなに好きなのは、お前だけ。
「もう、いつまで笑うの?」
スマホを取り出したついでに、ケーキの写真を撮る。美味しいし、見た目もとても可愛くてSNS映えすること間違いなしだ。
「ははは、まあ、加工なしのほうが可愛いんじゃね?」
「……からかってるでしょ、それ」
「ばれた?」
お茶目に肩をすくめる大志くんをよそに、私は目の前のケーキを大口で食べる。甘くて、とても美味しい。頬っぺたが落ちちゃいそう。
甘いものを食べ、寸前まで感じていた苛立ちがスッと消えた。私も現金な女だ。
「そろそろ行くか」
「うん」
会計を済ませて店を出た。
お財布を出すだけなのにアタフタしてしまって、大志くんがボンっとお札を出してしまった。
慌てて端数の小銭を出して、店員さんが数えている間に私も自分のぶんを支払おうと大志くんにお金を差し出したのに「いらね」と突っぱねられた。
その後もしつこく粘ってみたものの、「行くぞ」と無視されてしまった始末。
隣を歩く大志くんはそれを1ミリも気にしていない様子。くそう。いい格好しちゃってさ。
カフェ代ぐらい、お小遣い制の私にだって払えるし。奢るとか、そんなこと、好きな女の子だけにしなさいよ。ただのクラスメイトの女の子なんかに奢っちゃって、これだからイケメンはダメなんだ。
……ダメ、なんだ。
肩を落とす。足元を眺めながら歩いた。横断歩道を渡るときは、意味もなく白線の上だけを歩いた。
「ガキか」
「そうですけどなにか?高校生なんて、まだまだ子供でしょ」
「……なに怒ってんだよ」