ブロンドの医者とニートな医者
　昼間のランチタイムの時、律子と莉那からイアンを見定めるためのランチ会を提案されたが、気乗りしないと断ったせいか、今日も21時まで残業をしてから帰ることにしてしまう。

　イアンに3度も抱かれてプロボーズ的なことも言われたその翌日、大河原に会いたいだなんてどうかしている。

　だから、これは会いたいとかいうわけではなく、21時に残業が終わってパン屋に寄りたいだけだと自分に言い聞かせる。

「……」

　そう言い聞かせたのが良かったのかどうなのか、ベンチに腰掛けている一人の男性を発見した。

　たが、それが大河原でないことは遠目にも見てとれる。

　仕方なく誰もいないパン屋でパンを買い、もう一度ベンチに知らない男の人が座っていることを確認してから、帰路に着く。

　会わなくて良かったんだと思う。

　会いたかったんだ、という気持ちにはそのまま蓋をして、ただ今は見ないふりをした。　

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