独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
「しかし、全員収容するって大変だろう」
「そんなこともないですよ。部屋だけはいっぱいあるので。まあ、一家族一部屋ってわけにもいかないんですけど、一部屋にいる人数が多い方が温かいですし、文句がある人は城に来なくていいってことになってるので、問題になったことはないですね」

 ユリスタロ王国が、大陸ほぼすべてを治めていた頃に建てられた城は、避暑のための城といえど、とても贅沢な作りだ。
 国民全員を受け入れてもまだあまるくらいに部屋はあるし、集まって暮らせば燃料の消費を抑えることもできる。

「夏の間は、みんなが交代で掃除に来てくれるんですよ。なにせ、城に住んでいる人数だけでは手が回らなくて」

 くすくすと笑いながら話すフィリーネの言葉を、アーベルは信じられないような目で見ながら聞いていた。

「それで、お前は普段は何をしてるんだ?」

「なんでも。掃除もするし、洗濯もするし——畑仕事は、ハーブ園だけ手伝ってます。パンも焼くし、その他のお料理も。冬の間は子供達に読み書きを教えたり」
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