独占欲強めの王太子殿下に、手懐けられました わたし、偽花嫁だったはずですが!
「それ、シエルのレースですよね! ライラ様が使ってくれるなんて——どうりで、王宮に集まってる令嬢達が皆、レースを欲しがるわけだわ!」

 それを聞いたライラは眉間に深い皺を寄せた。

「ふ、不愉快だわ。その言い方」
「どうしてです? だって、レースが流行っているのも事実です。美しいけれど安価なレースを作ることだって本当に素晴らしいことだわ。わが国には不可能だもの」

 ライラがどうして不愉快に思ったのか、フィリーネには理解できなかった。デルガド王国の財力と豊かな人材の双方があって初めて実現できたこと。

「それは——」

「まあいいだろ。俺も実は先日街に出た時見たんだ。わが国の女性達が、こぞってライラの国のレースを身に着けていた。街中が明るくなっていいな。それに、そのレースの扇もよく似合っている。ライラのセンスのよさというものがうかがえる」

「そ、そうですか……?」
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