艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~

「次の休み。俺も合わせられそうだから一緒に行こう」


きゅっ、とそのタイミングで繋いだ手を強く握り返された。隣を見上げれば、葛城さんが優しい目で私を見おろしている。


「……行きます」


頷く瞬間、なんとなく目を逸らしてしまった。なんだろう、この頃葛城さんと話していると、胸の奥が疼くような、こそばゆい感覚に襲われてしまう。


政略結婚なんて、もっと無味乾燥な、淡々とことを進めるものだと思っていた。
形式的に何度か会って、気を遣いながら話をして、淡々と結婚までの必要事項をクリアしていく。


普通、一般的にはそんなものだろう。
だけど、葛城さんは最初に行った通り、私の気持ちを置き去りにしたりはしなかった。

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