艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
同時に、肩に重みがかかり、ふわりと温かい体温が背中と肩に伝わってくる。
どきりとして、一瞬狼狽えてしまったけれど。


「……腹減った。食べない?」


と甘えたような声で言うので、つい笑ってしまった。
考えてみれば、男の人に手料理を食べてもらうのは、兄と父を除いて葛城さんが初めてだ。
そう思うと、やはり少し緊張する。


「……美味い。藍さん、すごいな」


サンドイッチをひとつ食べ、それからすぐに唐揚げやブロッコリーなど他のおかずにも手を付けてから、驚いた顔で呟くとまたひとつサンドイッチを手に取る。


「喜んでいただけて良かったです」


外で食べやすいようにとサンドイッチにしたのだけど、家で食べることになるならもっと手の込んだお弁当にすればよかっただろうか。けれど葛城さんはどれも美味しそうに食べてくれて、その表情に満足しながら私もサンドイッチを手に取った。

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