艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
真っ赤になった私を見て、父が嫌そうに舌打ちをする。
「ちょ、聞いといて舌打ちって」
「もういい。わかった」
「はっ? ちょっと……」
恥ずかしさのあまりに余計に腹も立って、バトル再開となりかけたが、襖越しにかけられた母の声に遮られる。
開いた襖の間から、母とその後ろに先ほど店にいた従業員の姿が見えた。
「お父さん。今日もいらしたそうですけど、店の方にいかれます?」
「いや。隣に通せ」
どうやら、店に父を訪ねて人が来たらしい。隣の客間に通すつもりのようだ。
「お通しして。お茶も出してくださる?」
母が女性従業員に声をかけると、出ていく父と入れ替わりに私のいる仏間に入る。
父は出る間際、
「藍。お前はここにいろ」
と言い残していった。
「ちょ、聞いといて舌打ちって」
「もういい。わかった」
「はっ? ちょっと……」
恥ずかしさのあまりに余計に腹も立って、バトル再開となりかけたが、襖越しにかけられた母の声に遮られる。
開いた襖の間から、母とその後ろに先ほど店にいた従業員の姿が見えた。
「お父さん。今日もいらしたそうですけど、店の方にいかれます?」
「いや。隣に通せ」
どうやら、店に父を訪ねて人が来たらしい。隣の客間に通すつもりのようだ。
「お通しして。お茶も出してくださる?」
母が女性従業員に声をかけると、出ていく父と入れ替わりに私のいる仏間に入る。
父は出る間際、
「藍。お前はここにいろ」
と言い残していった。