艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「ね、お客さんなら私帰るけど」
「いいから」
母は私の隣に腰を降ろすと、眉をしかめた。
「まったく、あんたは。昔っから気の強い子だけど……今回、お父さん結構ショック受けてたのよ」
「え……何が?」
「親子喧嘩はしても、こんなにはっきり反抗してみせたのは初めてでしょ。あんたが葛城さんのパートナーとしてパーティーに出てたって知った時のお父さんの顔ったら……可哀想だったわよほんとに」
そう言われて、首を竦めた。
だけど私は、少しも後悔していない。
「私だって花月庵のことちゃんと知りたかった。役に立ちたかった」
「わかってるわよ。けど、お父さんが藍を店から遠ざけたのも親心だったのよ」
もちろん、それもわかっているが。
反論するのは止めて、小さく頷く。
その時、廊下を人が歩く気配がして、母が私に向かって人差し指を口の前にあて「静かにね」と言った。
「いいから」
母は私の隣に腰を降ろすと、眉をしかめた。
「まったく、あんたは。昔っから気の強い子だけど……今回、お父さん結構ショック受けてたのよ」
「え……何が?」
「親子喧嘩はしても、こんなにはっきり反抗してみせたのは初めてでしょ。あんたが葛城さんのパートナーとしてパーティーに出てたって知った時のお父さんの顔ったら……可哀想だったわよほんとに」
そう言われて、首を竦めた。
だけど私は、少しも後悔していない。
「私だって花月庵のことちゃんと知りたかった。役に立ちたかった」
「わかってるわよ。けど、お父さんが藍を店から遠ざけたのも親心だったのよ」
もちろん、それもわかっているが。
反論するのは止めて、小さく頷く。
その時、廊下を人が歩く気配がして、母が私に向かって人差し指を口の前にあて「静かにね」と言った。