艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
というか、父の上から目線に唖然とする。
あの人、一応立場的には葛城さんに買収されたはずなのだが。
本当なら、もうちょい頭低くしないとまずいんじゃないの。
暫しの無言が続く。
多分、今、父が葛城さんが持ってきたという計画書に目を通しているのだろう。
その間の緊張感がはんぱなく、胃が痛くなりそうだ。
だが、長くは続かなかった。
数分も経たないうちに、ばさっと紙の束を放ったような音が聞こえたのだ。
「こんなもん従えん」
取り付く島もない父の態度だが、その後は息を吐く間もない言い合いが続いた。
「それでは困ります。事業提携した以上、改善してもらわなければこちらとしてもまったく今のままというわけにはいかないんです」
「本店でのやり方は変えない。ずっと言っとるだろうが」