艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「それでは他の売上の足を引っ張ってるだけだってわかってるんですよね?」
「そもそもの考え方が逆なんだよ。どうしてそれがわからんか」
あの父に全く引かない葛城さんにも驚いたが……。
ちら、と母を見た。
向こうの部屋には聞こえないよう、顔を寄せて小声で尋ねる。
「……これ。いつから?」
「もう二か月くらいになるかしらねえ……部屋に通したのは今日が初めてだけど。最初は暖簾もくぐらせなかったのが、いつのまにか店内に入るようになって、ちょっとずつ進んでるわよ。牛歩みたいねえ」
母が呑気な声で言った。
「ですから! 本店に限定感を持たせることに反対なのではありません。もっとスポットを小さくしようってことなんです!」
「古くからの客に胸を張って出せる商品を減らしてどうする」
押し問答は続いている。
「そもそもの考え方が逆なんだよ。どうしてそれがわからんか」
あの父に全く引かない葛城さんにも驚いたが……。
ちら、と母を見た。
向こうの部屋には聞こえないよう、顔を寄せて小声で尋ねる。
「……これ。いつから?」
「もう二か月くらいになるかしらねえ……部屋に通したのは今日が初めてだけど。最初は暖簾もくぐらせなかったのが、いつのまにか店内に入るようになって、ちょっとずつ進んでるわよ。牛歩みたいねえ」
母が呑気な声で言った。
「ですから! 本店に限定感を持たせることに反対なのではありません。もっとスポットを小さくしようってことなんです!」
「古くからの客に胸を張って出せる商品を減らしてどうする」
押し問答は続いている。