艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「今日はもういいの?」


そう尋ねると、彼は穏やかに、けれど確かな強さで私の手を引き、ベッドへと誘導する。


「いつまで、とは言わなかったから。君の気持ちが俺に向くまでという意味かなって」

「絶対違う、それ……」


あの父のことだから、結婚するまで、という意味に決まってる。
葛城さんもわかってるだろうに敢えてそこは追及しなかったにちがいない。


「そう? じゃあ、少しだけフライングだ」


ぽす、と腰を下ろした私を見おろす笑顔はいつもどおり優しいけれど、なぜか背筋をぞくりとさせる。


「先に謝っておくけど」


彼は私をゆっくりとベッドに押し倒しながら、口付ける寸前に強い欲情を滲ませた。


「もう泣いても逃がさない」

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