艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「泣いても止めないよ」
ぽろぽろと零れる涙を、彼はすべて唇で拭っていく。
「藍、目を閉じて、俺だけ感じていればいい」
いわれるままに、目を閉じた。
彼の指に感じ、いつのまにか、恥ずかしいだとか思う余裕もなくなった。
肌が、身体が、彼から与えられる快感を懸命に受け止める。
初めての、痛みすら。
震える私の手を取り、いつかのように手の甲に口づける。
そんな優しいしぐさをしてみせてから、私の中を奥まで押し広げ、痛みにあえぐ私を見おろし微笑んだ。
「藍……俺のものだ」
汗ばむ肌が、触れ合い互いの熱で溶けてしまいそう。
「君の全部、俺のものだ」
彼の力強い腕は私の全部を掻き抱き、何一つ取りこぼさないよう、その広い胸の中に閉じ込めてしまうようだった。
痛みが馴染んで、代わりにせりあがる熱の波に押し流されてしまいそうで。
私は彼の背に爪を立て、必死で縋り付く。
彼が閉じ込めることを願ったように、私もまた、その腕の中にずっと留まっていたかった。
ずっとずっと、そうしていたかった。