艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
桜色に染まった肌を、頬から首筋へと撫でて辿る。
うっとりと目を細め瞬きをする、香り立つような色気に身体の奥が熱くなった。


「……藍」


彼女の胸元を乱しながら、首筋の肌に口づける。
本当にどこもかしこも甘くて柔らかい彼女は、マシュマロのようだ。


あまり乱暴にはしたくない、と頭のどこかで思いながらも、彼女のブラウスを早くその肌から剥がしてしまいたくて、つい性急に襟元から内側へと滑らせた。
両方の肩ひもを指にひっかけ下ろしながら、鎖骨のラインにそって口づける。


甘く、小さな、押し殺したような声。
胸のふくらみを片手で包むと、ほうと甘く熱いため息がふたりの間に立ち込めた。


彼女が身体をよじらせ、漏らした小さな喘ぎ声に、頭の奥がぴりりと痺れる。


ああ、だめだ。
今日は、本当に……我慢が効かない。


胸元の薄く柔らかな肌に口付けると、その心地よさに残り少ない理性もかき消されていく。


「あ、や……っ、かつらぎさ、ここ、で?」


いつもは、ソファでここまで脱がさない。
けれど止まれそうにない俺に、彼女の声に戸惑いの色が混じった。
< 378 / 417 >

この作品をシェア

pagetop