艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
止めたくない。
やめたくない。
けれど、藍の声に反応してぴたりと手が止まる。
胸元から顔を上げ、手の指は肌に触れさせたまま彼女の表情を窺った。
浅く短い息を吐く、自分の興奮が彼女を傷つけてしまわないか。
俺が怪我をしたとき、ひどく泣きじゃくる彼女を見てしまってから、俺はどうしても彼女の泣き顔に弱くなった。
ほんの少しでも涙が滲むものなら、指先ひとつ動かせなくなる。
どうしたら笑ってくれるか、そればかり考えて上手く言葉も出なくなる。
五つも年下の彼女に、すっかり翻弄されるようになってしまった。
「……ここでは嫌?」
藍のご機嫌を窺うように、頬に唇を添わせ吐息でくすぐる。
すると彼女は、一瞬心地よさげに目を細めてから、困ったように眉を下げた。
「……や、っていうか……は、恥ずかしい」
やめたくない。
けれど、藍の声に反応してぴたりと手が止まる。
胸元から顔を上げ、手の指は肌に触れさせたまま彼女の表情を窺った。
浅く短い息を吐く、自分の興奮が彼女を傷つけてしまわないか。
俺が怪我をしたとき、ひどく泣きじゃくる彼女を見てしまってから、俺はどうしても彼女の泣き顔に弱くなった。
ほんの少しでも涙が滲むものなら、指先ひとつ動かせなくなる。
どうしたら笑ってくれるか、そればかり考えて上手く言葉も出なくなる。
五つも年下の彼女に、すっかり翻弄されるようになってしまった。
「……ここでは嫌?」
藍のご機嫌を窺うように、頬に唇を添わせ吐息でくすぐる。
すると彼女は、一瞬心地よさげに目を細めてから、困ったように眉を下げた。
「……や、っていうか……は、恥ずかしい」