艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
白い肌を真赤に染めて、熱に潤んだ瞳で上目遣いにそんなことを言われれば、込み上げてくる衝動を一度奥歯を噛みしめて押さえつける。


「……見てるのは、俺だけなのに」

「そ、そういう問題じゃなくて」


恥ずかしそうに目を伏せて、彼女の両手が伸ばされた。
乱れた姿を見られたくないのかもしれないが。


俺の背中に回ししがみつく。
彼女は俺を止めたいのか煽りたいのかまったくわからない。


「……わかった」


止めろと言われても、無理だ。
わずか、寝室に移動するまでの時間すら我慢が効かなくなった。そうさせたのは彼女の方だ。


「うん」

「全部脱がすのはやめるよ」

「え」


そう言って、いきなり彼女の両足を抱えあげれば、一瞬慌てていたけれど。
白く柔らかな内腿に口づければ、噛み殺したような甘えた声が漏れた。

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