艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
華奢な体躯を組み敷いて、中途半端に脱がした服の上を手が這って素肌を探す。
乱れた襟元へ唇を落とし、互いに零れる吐息に酔って、身体を絡みつかせる。


甘い声、甘い香り、体温。
彼女のすべてに夢中になるこのひとときのために、日常のあらゆることをこなしているといっても過言ではなくて。


まっさらだった彼女が、俺の手で艶やかに染まっていくのを自分の腕の中だけで、眺めていたい。
そんな欲求は、日々増している。


出会った頃は、凛とした清楚な美しさと芯の強さを秘めた瞳に惹かれた。
話せば少し幼い可愛らしさと、気の強さに心が擽られた。


だけど女性らしい色気に関しては、まだ青い蕾のようだったのに。



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