艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
舌を絡めて、擦り合わせているうちに、彼の唇が私のそれを捕らえてしまった。
優しく唇で食まれて、ぞくりと身体が反応する。


「んっ……」


彼の膝の上で思わず腰を揺らしてしまって、彼の両手が私の腰を支えた。がっしりとした彼の肩に両手を預けると、互いに首を傾げて更に深く唇を合わせる。

彼の口の中で、私の舌先がちろちろと擽られている。
腰にある手が服の上から肌を擽り、脇腹を撫でて胸の下で留まる。


「ん、ぁ」


キスがそれて、端から零れそうになっていた唾液を唇で拭い取られた。
ちゅっ、と音を立てながら頬からこめかみ、耳のそばまでたどり着く。


零れた自分の吐息の熱さに気が付いて、更に身体の熱も上がりそうだった。


「藍……」
「あっ」


耳孔を擽った彼の声も吐息も熱い。
胸の下にあった手がまた腰の辺りまで降りて、片手は太ももを撫でさする。


もう片方の手が、足の付け根から下腹を撫でた時、ぴたりと止まった。

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