艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
陣痛っぽいものが始まったのは、深夜零時を過ぎた頃で。
ただの張りじゃない、いつもと違う痛みが何度かあって、時間の間隔を測り始めたら、ほとんど眠れなかった。
圭さんももちろん、すっかり目が冴えてしまったようで、ほぼ不眠のまま翌朝、仕事に行く前に一緒に病院に行ってくれた。



「んー、まだまだかかりそうかな」

陣痛は始まっているようなのだが、母親学級で見せてもらったDVDのようなうめき声をあげるほどの痛みでもない。
お医者様には、初産だしまだかかるだろうと言われ、一旦圭さんには仕事に行ってもらうことにした。

「いや、行っても仕事が手に付きそうにないんだけどな……」
「だめですよ、どれだけかかるかもわからないのに。実家の母にも連絡はいれてあるし大丈夫です。安達さんも困ってしまいますよ」
「行くよ、行きます。けど、いよいよとなったら必ず連絡入れるように。俺が繋がらなかったら安達に言伝て」

わかりました、まかせてください、としっかりと笑顔で送り出してみせた。
正直言うと、とても怖い。けどそれ以上にワクワクもした。
お腹の中で何度も暴れてくれた元気な我が家のお姫様に、もうじき会えるのだ。
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