艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
母にもまだ急がなくて大丈夫だと伝えてあるから、多分朝の開店準備を終えたくらいに来るだろう。落ち着いてから来るなら昼ぐらいかもしれない。
そわそわしながら、まだ部屋の中をうろうろする余裕もあった。来る途中のパン屋さんで買ったサンドイッチを食べたりパックの野菜ジュースを飲んだりしながら、次の痛みが来るのが楽しみだったりする。

しかし、そんな時間は最初だけだった。

「うううううううっ!」

ベッドの上で、ひとりで痛みに耐える。
大きな腹を抱え横向きになり、背中を丸め痛みが過ぎるのを息を詰めて待った。

……さっきの痛み、何分前だっけ?

痛みが去った後は、ぼうっとしてしまって考える気力が失われる。
けれど、さっきあまりの痛みに看護師さんを呼んでみてもらったときは、まだ子宮口がほとんど開いてないって言ってた。

……と、いうことは、本番はもっと痛いんだ。
さっきよりは、間隔も短くなってはいるけど……。

看護師さんは痛みが我慢できなかったり不安だったら遠慮しないで呼んでくださいと言ってくれていた。
でもまだ我慢できないほどではない。
< 406 / 417 >

この作品をシェア

pagetop