艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「まったく、相変わらずなんだから。康太と藍が生まれた時もそうだったのよ」
「そうなの?」
「一週間くらいはにらめっこしかできなかったんじゃないかしらね」
「うるせえ。男親はそんなもんで」
「古っ! びっくりする!」
お母さん、心底尊敬する。
よくもまあ、この昭和臭激しい父についてきたもんだ。
たかが抱っこすらできない父親に、母が和香を抱っこしたまま近づく。
「ほらほら。藍の生まれた時にやっぱり似てるわよ」
「……おう、そうだな」
母の腕の中を覗き込んで、ほんのちょっとだけ目尻を和らげたということは。
私の赤ちゃんの頃のことも、多少は覚えていると思っていいのだろうか。