艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「……そ、そんなことわざわざ言わなくてもいいです」
「どうして?」
「別に無理して褒めていただかなくても。自分が至って凡人なのはわかってますからそういうのはナシでいいです」
褒められ慣れないと、どう受答えしていいやらわからないものだ。実際、私は葛城さんみたいに特別容姿が美しいわけではない。地味顔なのでメイク映えはする方だけれど、所詮一般人の域だ。卑屈になっているわけではない、ただの事実だ。
彼のように周囲を圧倒するような外見も存在感もない。この会場においても、彼の横に居なければ私に注目が集まることなどないのだ。
そう、彼がローストビーフなら、私はこのマッシュポテト。添え物だ。