艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~

あ、なんかすごい上手い喩えが見つかった、と手の中の皿を眺めて自分に感心していると、数秒沈黙していた葛城さんが、ため息混じりに呟いた。


「君は、俺が言ったことを覚えてる?」


少し呆れたような声だった。顔を上げると、苦笑いを浮かべる彼が私を見つめて更に言った。


「俺は、君とのこともおざなりにするつもりはないって。君があんまりドライだと、こっちの方が不安になるな」

「え」


首を傾げる私の耳元に、彼が腰を屈めて近づき、周囲には聞こえない小さな声で囁いた。


「俺に興味を持ってもらえるよう、努力するよ。今夜ゆっくり話そう」


そう言って、耳元から離れて至近距離から私の目の中を覗き込む。
その色香にあてられて、くらりと眩暈を感じた。

< 91 / 417 >

この作品をシェア

pagetop