艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「お兄ちゃん」
「行くぞ」
「えっ?」
ぱっと皿を取り上げられて、手を引っ張られた。
「ちょっ、お兄ちゃん?」
兄は私の手を掴んだまま、ずんずん歩き私は当然それに引きずられる。会場の出入り口付近で手の皿をウェイターに渡すと、そのまま会場の外の廊下まで連れ出されてしまった。
「とりあえず一度実家に行こう。このままじゃお前ほんとに葛城さんと結婚することになる」
「ちょっと待ってよ。だから私はそのつもりなんだって」
「お前なあ。これがどういうことかわかってんのか。今ならまだ間に合うから、お前は気にしないで今まで通り」
「そう言ってまた花月庵の問題から私を遠ざけるんでしょ」
ぱしっ、と掴まれた手を振り払って兄を睨んだ。兄は、驚いた顔で私を見る。