ハツコイ
「ま、まさか、お前…」
「…まだしてないから聞いてんじゃん。」
「…あ、だよな。」
琉偉、ちょっと安心してるっぽい?
まあそうだよね。
衝撃的だったなあ…今の質問。
「なあ志貴。…柚のいる前で言うのもすげー恥ずかしいんだけど、これだけは言っとく。」
チラッと私を見た琉偉が、大きく深呼吸をした。
「正直、俺も柚と付き合い始めた頃、下心しかなかった。早くそうなりたいって思いばっかり。そうなることで、もっと仲が深まるものだと思っていたしな。だけどさ…そうしない大切さもあるんだよ。」
ドキドキする…
琉偉、当時そんなこと考えてくれてたんだ。
「関係を持つってことは、その人の初めてを奪うことでもあるんだぞ?だったら、それなりの覚悟は必要だよ。自分の欲求を満たすためじゃ駄目。まあ、俺らの時代とお前の時代じゃ違うかもしれないけど、覚悟ができるまでは、キスより先には進むな。」
「……琉偉兄。」
「ん?」
「……彼女、蒸発しそうなくらい真っ赤だけど。」
「ご、ごめっ…」
だって、そんなに大事にされてたことを、今改めて知れるなんて思っていなかったから。
「ありがと、琉偉兄。大切にしたいから、ちゃんと覚悟決めるまでしない。ま、琉偉兄が結局いつエッチしたのかは気になるけど、あとは二人でどうぞ〜。」
気を利かせてくれたのか、部屋を出て行った志貴くん。
「…今の高校生って、あんなんなのか?」
「さ、さあ…」
ドキドキが、止まらない…。
「…琉偉、ありがとう。大事にしてくれて…」
「え?ああ…でも、何度も理性飛びかけたよ。高校男子なんて、下心の塊だからな。」
「でも、大事にしてくれてた。……なのに別れちゃって…ずっと一緒にいたかったな…」
そう言って琉偉の腕にピトっとくっつくと、自然と肩を抱き寄せてくれた。
「んー。俺もそれ思ったことあるけどさ。だけど…こうして再会できたじゃん。離れてた10年は、きっと必要な10年だったって、そう思いたいんだよな。」
「琉偉…」
そっと見上げると、いつにも増してかっこいい琉偉の顔。
そんな琉偉のほっぺに、チュッとキスをした。
「へへへ。」
「今の何?キスに入んないよ?キスってのは…」
「……んっ…!!」
そう言って、琉偉からの長い長いキス。
「…こうすんだよ。」
そう言って、フッと笑った琉偉に、また一つときめいてしまった。