サーペンディス 天秤に架けられた少女



「さぁ!!行くわよっ!!」

 レオナさんは大臣の着る制服の上にローヴを着て広いベランダに出た。手には壁に掛けてあった箒を持っていてまたがった。レオナさんは私の方を向いて、
「私の後ろにまたがって、お腹に腕をまわして」

 私は言われた通りにすると、レオナさんは足で床を蹴った。
 箒は少し宙に浮きながら上昇していく。徐々にベランダが小さくなっていく。箒を右に回転させると真っ直ぐ飛んでいく。
 うわぁ~私、飛んでる――――。
「酔わない?」

 レオナさん振り返らずに声をかけた。
「平気」
「良かった。私ね、魔法女学園にいたとき、勉強はそこそこできたけど、実習は飛び抜けて成績良かったわ。おかげで十数年前に卒業したのに今でも生徒に『箒乗りのレオナ』なんて言われるのよ」
 へぇ~。
「よく朝早く起きてね、昇ってくる太陽を箒に乗って眺めたわ」
 ふぅ~ん。




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