サーペンディス 天秤に架けられた少女
私達の横には大きな太陽が昇ってきている。眩しいけど、でも、暖かい。
「あいつはね、海辺の家にいるのよ。亡くなったお父さんの別荘に住んでるの。今まで人間界に住んでたけど、ちょっと事情があってこっちに住む事になったの」
へぇ~。
「あいつは私のお父さんの弟の一人息子なのよ。」
風が私達の頬を撫でていく。気持ち良い・・・。
「着いたわよ」
レオナさんは言うと箒の速度を落とし、するすると箒が落ちていく。
足元には大きな緑色のとんがり屋根のお屋敷があった。ここがレオナさんの言う『あいつ』の家らしい。