サーペンディス 天秤に架けられた少女



 読み終えた私の腕は震えていた。椅子から立ち上がって、テーブルを叩いた。

「何よこれっ!それじゃあこの子はあんたが預かるわけっ!?」

 するとイーグレットはびくっと体を震わせ、
「んな事言ったって仕方ないだろっ。俺に頼んでるんだから」
「そう言ってもあんたはどうするのよ。もし、あんたが手ほどきを教えるとするわよ、仕事はどうするのよ!今は休職中でも、期限があるでしょ!誰かに頼むとかないの!?」
「俺に頼んでるんだから。俺がやるさ。それに、エリスは魔法学院の人間だ。魔法女学園は管轄内だ、なんとかしてくれるだろ」

「どうなんだか―――とりあえず私、行くわ。とりあえず、今日この子をお願いね。仕事終わってから迎えにくるから」

 私はセシルに、
「それじゃあ、行くね」
「いってらっしゃい」
 私はセシルに手を振って出て行った。

 でも、心配だなぁ。教官だから子供にも教える事も慣れてるけど―――。
 あいつ、どうしたんだろ。
 なんか本気だったけど―――。



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